今回は昨日施行した症例です 45歳の男性でさいたまの某公的病院で鼠径ヘルニアの手術を3年前に受けましたが、その後再発で再度手術しました 外鼠径ヘルニアだったと手術当時いわれたようです 術後すぐに違和感がつずいていたようですが、問題ないといわれていたようです 今年になってから仕事の移動で宇都宮に転居され当院に来院しました 再発のようなので手術を勧めました 結果的には大腿ヘルニアでヘルニアのうは手付かずの状態でした たぶん気がつかなかったのでしょう 外鼠径ヘルニアの出口である内鼠径輪にはメッシュプラ-グが挿入されているようでした でも外鼠径ヘルニアのうはなかったはずなのにどうしてプラ-グを挿入したのかはわかりません きっとヘルニアのうが確認できないのでおかしいと思いつつもプラ-グを入れてしまったのでしょう 大腿ヘルニアは高齢の女性に多いのが特徴で若い人にはあまりお目にかかりません そこがみそだったようです ヘルニア治療の奥深さを感じた1例でした
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鼠径ヘルニアの手術の最大の要点はいかに再発を少なくすることです その次に術後の疼痛が少ないこと入院期間の短縮化がつずきます 栃木県内では完全日帰りでヘルニアの手術をしているところはないはずです 先日、真岡の方で水戸で日帰り手術をして再発してしまった人が来院されました 昨年8月にあるクリニックで手術を受けその後すぐに(1ヶ月ほどで)再発し再手術を受けましたが治らずに当院に来院されました ご本人は日帰り手術が魅力で水戸までいったようです 慢性腎不全で生体腎移植後の方でステロイドや免疫抑制剤等を内服している方でした よく病状を説明した後当院で先日再手術をしました 再発の原因はメッシュプラ-グの不適切な挿入による再発でした 浮いてしまっているプラ-グをヘルニアのうとともに可及的に切除後再度プラ-グを再挿入しました メッシュプラ-グ法は現在一般的に行われている方法の一つですが今回の症例のようにプラ-グの挿入の仕方が肝で内鼠径輪付近の解剖を熟知していないと再発の原因になります 私はより確実なク-ゲル方で施行していますが いずれにしても手術にはポイントがあります そこはこだわらないといけません 手前味噌ですが幸いにク-ゲル法を始めてから当院では再発は現在まで一例もありません 今後も一例一例を大切にしていこうと思います
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あまり聞きなれない検査ですね 肛門、直腸の中の圧力を図ることで特に排便にかかわるいろいろな機能を測定して肛門や直腸の手術前後の状況や手術適応を判断するための検査です この検査機器を今回導入しました 自治医大に一つあるようですがこの機械を使用する医者が現在はいなくてほこりをかぶっているようです この機器が県内ではほとんど使用されていない理由は肛門疾患の専門医が栃木県にはほとんどいないのがその理由です 臨床(実際の医療現場のこと)の役に立たなければ意味がないので肛門疾患の治療の一助として大いに活用していきたいと思います
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現在、日本人の癌で一番多いのは男女ともに大腸癌です 今後もしばらくの間増えつずけると予想されています 当院は肛門疾患の患者さんが多く来院されます 主訴で一番多いのは出血です ほとんどが裂肛(切れ痔)や痔核(いぼ痔)からのものが多いのですが、当然中には直腸、大腸由来のケ-スも考えられます というわけで肛門疾患があっても40歳以上の方はなるべく大腸の内視鏡を施行することをお勧めしています 直腸癌、大腸癌が見つかった場合大きなリスクがなければ当院で手術を施行しています 手術の場合は私の古巣である自治医大から応援をよんでいます 慣れていますので直腸癌であっても通常の症例であれば2時間ないし2時間半ほどで終了します縫合不全等の合併症もありません 必要あらば術後の化学療法(抗がん剤)もあわせて行います 多くの肛門疾患の手術と大腸、直腸癌の手術を両方行っているクリニックは宇都宮では当院のみと思います 現在当院で施行している手術の主なものは以下のとうりです 1.虫垂炎、鼠径ヘルニア 2.大腸癌、直腸癌、胃癌、乳がん 3.胆石症(腹腔鏡下) 4.下肢静脈瘤 5.肛門疾患(痔核、痔ろう、慢性裂肛、直腸脱、直腸瘤、術後狭窄、直腸粘膜脱等) 6.甲状腺腫瘍(癌も)
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直腸瘤 または直腸膣弛緩症とも言います という病気があります 原因は分娩時の障害が主な原因と考えられていますが、直腸の前壁(前の壁)が弛緩(緩んでしまっていて)してしまい排便時膣側に膨隆し排便困難(便が出ずらい)をきたすものです 従来は肛門形成術や最近は人工のシ-トで補強する方法がありますが、現在は痔核特に脱肛に使用しているALTAが効果的です 私も何例かの方に使用しましたが即効性があり手技も簡単で効果的です よくなる理由はALTAの投与により直腸前壁の弛緩がなくなり壁がしっかりするからです 直腸瘤の方は潜在患者がかなりあるともいわれておりもっと使用されると喜ばれると思います
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脱肛の症例はジオン(ALTA)単独で治る症例も数多く存在しますが、もちろんすべてではなく少なくとも一部分は切除を加えないといけないケ-スもあります 今回は切除を加える場合のはなしです 術後いかに痛くなく、出血させないで、処置の必要が最小限で、こまめにガ-ゼの交換が必要なく切除するには工夫が必要です 切除する道具(手術機械と呼びます)には1.ステンレスのメス2.電気メス3.レ-ザ-メス4 超音波メスなどが考えられます それぞれ一長一短なのですが、ト-タルで考えますと超音波メスが一番優れていると思われます その理由を以下に列挙します 1.一番術後痛ませない道具 というのは術後の痛みは特に肛門に関しては術後如何にむくませないかが問題で、ステンレスのメスを除けば最も術後のむくみの生じずらい 道具です そのわけは一番熱の発生が少ないからです(電気メスやレ-ザ-メスは200度ほどになりますが超音波メスは70度ほどにしかなりません) 2.痔の手術は結構出血するものです というのは肛門はとても血流のよいところだからです 外科手術の場合出血を止めるには通常しばるか、電気メスで焼くかのどちらか の選択肢しかありませんでした ところがどちらの止血法も術後の痛みの大きな原因になるのです ところが超音波メスは止血しながら切れるので切除後の止血操作は ほとんどいらないのです 3.創の治りかたは道具による差異はあまりありませんが、術の創が一番ドライに保てるのは(ガ-ゼの交換が少なくてすむ)超音波メスですその理由は組織や血管の蛋白 質をコアギュラムという組織に蒸散変性させてしまうからです 以上のようなわけで肛門の手術で切除を加える場合は超音波メスが最適なのです しかしこの機械は比較的高価であるうディスポの道具を使うのでランニングコストがかかり、保険請求できないので思ったほどには普及(肛門領域では)していないようです 当院では短期滞在の手術を目指しており痛みが少なく安全に(出血が少なく)施行するために超音波メスを導入しております
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手術後の痛みを如何に少なくするかという話です 痔の手術に関してまず考察すると 1.当たり前の話ですが痛みのある場所はなるべく操作しない これはどういうことかというと、いぼ痔(内痔核)は痛みを感じる場所を感じない場所の両方にまたがって存在するので。。 ALTAのみで治療する(できる)ケ-スでは痛みを感じない所にしか薬を投与しないので術後の痛みはほとんどない 2.いぼ痔の術後の痛みの原因は切除したきず自体の痛みもさる所ながら術後むくませて(はらせて)しまうと痛みの原因となるので 切除を加える場合はできれば超音波メスで切除すること (電気メスは200度ほどになりますが超音波メスの場合100度以下ですので 術後の腫れが起こりにくい また止血の必要がほとんどなく縫合したり電気メスで凝固したりする痛みの原因となる操作の必要がない) 3.痛み止めが必要となるケ-スはほとんどが術当日なので入院手術の場合は痛み止めを持続的に投与することのできる機械をつけたり 積極的に鎮痛剤をを早めに投与する
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2日前に、1年ほど前に鼠径ヘルニア(脱腸)で当院で手術した80歳のおじいちゃんが来院されました。娘さんに付き添われおなかが痛いと訴えていました。いつから痛いのと聞くと2日前からといいます。よくよく聞きますと1週間ほど前からおなかの調子が良くなかったといいます。診察しますとどこといわずおなか全体に圧痛(押して痛がる痛み)がありまして、腹膜炎をうたがいました。レントゲンとCTを撮ったところ消化菅穿孔(胃腸のどこかに穴があいている事)でした。患者さんは糖尿病と高血圧の持病があり近くの内科の先生が主治医で今回も私の所に来る前に受診し下剤のみ処方されただけで 帰宅され、そのときのも娘さんが付き添われ納得がいかず翌日当院を受診されたようです。私は開業する前は自治医大の外科に所属していましたので 重症患者さんは基本的には大学にお願いすることにしていまして、救急車で大学へ搬送しました。翌日(今日)自治医大の病棟に患者さんの病状が気になり問い合わせた所、外科の病棟にはそのような患者は入院しておらずということで、よくよく調べてもらった所、すぐに緊急手術になり状態が悪くICU (集中治療室)にいたので、外科の看護師は把握していなかったのでした。病状は、大腸癌による腸閉塞が高じて大腸が破裂し腹膜炎になっていたようです(下行結腸癌の大腸イレウスで脾湾曲に大きな穿孔を生じた)おなかの中は便で汚染されメゼラブルな状態だったようです。命がけの病状ではありますが、患者さんがどうにか命をとりとめまた元気になって戻ってくるのを願います。私は開業してから癌の手術は時々しますが、当然のことながら日常的では無く今回のような症例は久しぶりですが、日常手術している肛門疾患ばかりではなく生命にかかわる症例が日常の診療のなかに玉石混交の如く存在することを再確認することとなりました。自分で言うのも変ですが、内科の先生とは違い今までつちかってきた外科医としての嗅覚は(これが重要なのですが、そして内科医と外科医の決定的な差なのですが)健在、というよりは体に染み付いているものなのだと思います。
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今年も肛門疾患を中心に手術をしました 約300例の入院手術と約400例の外来手術をしました 中には胃癌、大腸癌、直腸癌等の癌の手術や虫垂炎そけいヘルニア、胆石(ほとんど鏡視下)、イレウス等の疾患もありました 全身麻酔の手術ではいつも何人かの自治医大の外科の先生方にお世話になっています 今年も後出血、縫合不全等大きな合併症も1例もなく終わることができそうです 宇都宮市内では入院施設を持ち手術をしている所は数箇所になりました 昨日保健所の方がお見えになり来年からの宇都宮の救急医療体制の再構築の話を聞きました もう少し入院設備をもった医療施設を階層化して縦のつながりを持たせ現在市内にあるベッドの有効活用をしていこういう趣旨のものでした 一診療所にできることは限られますが、できるだけ協力していこうと思ってします ただし救急医療は一般の医療といろいろな面で異なっていますし、元来病院にとっては不採算部門であるので行政の資金面でのバックアップや保障がないと実際には立ち行かない面があると思われます。
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私は肛門の手術を多く手がけているので、必然的に大腸及び直腸癌の手術をします。私は、自治医大の外科に長く在籍していましたので、このような手術の時には、自治医大の当時の先生方に応援してもらい対処しています。特に大腸癌の手術は、消化器癌の手術の中では、技術的に比較的やさしい手術です。このような手術を宇都宮市内で手がけているのはかなり少数となりました(数件でしょう)。このような症例を扱う開業医の利点は術前から手術またその後に至るまで、継続的同じ医者がフォロ-できる点が大きいと思います。
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